アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

生涯年収とアーリーリタイアの可否

日本人の生涯年収ですが、各種調査によると平均で2.5億円~2.8億円程度とされています。
退職金が無い場合は、ざっくり、平均年収600万円前後 × 40年あまり の累計金額です。


話を簡単にするため、税金・年金・家族構成・ライフスタイルは無視します。
そうすると、この平均的な生涯年収が、人並みの生活水準、つまり、人並みの節約・倹約をすれば、人並みの贅沢・気晴らしが出来る目安ということになります。


無理なく、アーリーリタイアする目安として、生涯年収で計るというのは、どうなんだろう、と考えることがあります。


給与収入が減る部分を運用益を含む副業で補えば、達成可能という人もいるかもしれません。
ただ、給与収入を(本業ではない)副業で補うのは、現実的には難しく、仮に運用資産が大きくても、給与収入並みの運用益を安定的に稼ぎ続けることは容易ではありません。


そうすると、簡単ではありませんが、
・給与収入が高くて、蓄えが大きいこと(例、既に平均的な生涯年収を稼いだ)
・さらには、運用益が期待出来ること
・本業並みの副業収入があること
の少なくても何れかの条件を満たすこと必要があります。
ここでは、ひたすら節約で蓄えを貯める生活は人並みの生活水準ではなくなってしまうので除外して考えます。


その前提で考えると、例えば、定年退職よりも10年早く、アーリーリタイアをする場合は、
ざっくり、平均年収600万円程度 × 10年(=6000万円) の金額 を何れかの方法(過去の蓄えと運用益、あるいは、副業)で確保する必要があります。
加えて、いわゆる老後資金はさらに別途確保することになります。


そう考えると、アーリーリタイアのハードルはかなり高くなると思いますが、人並みの生活水準を維持しつつ、アーリーリタイアをしたいという人には、一つの目安にはなります。


節約・倹約すれば、もっと簡単にアーリーリタイア出来る、と反論する人もいると思いますが、それは今回定義している人並みの生活水準とは言えません。



しかし、ここまで書いておいて、こういうのも何ですが、
まあ、それでも、やはり、自分で身の丈にあったリタイア資金を自分で計算するのが、もっとも信頼性が高い、もっとも精度の高い方法です。


やっぱり、自分で身の丈にあったリタイア資金を計算しましょう。
そうすると、人並みの生活水準を求める人のリタイア資金は大きくなり、節約・倹約を前提にした生活水準のリタイア資金は小さくなります。



最後に
生涯年収という言葉ですが、おかしな言葉ですよね。
年収は一年間の収入ですので、生涯の収入ではありません。
一つの言葉に異なる期間(生涯と一年間)が混在しています。
生涯月収という言葉がおかしいように生涯年収という言葉もおかしいのですが、なぜか、非常に普及した言葉で、年収を生涯に渡って累計した金額を指すという定義から出来た言葉という説が有力のようです。
また、生涯年収と言いつつも、年金や資産運用益は含まない意味で使用されています。
つまり、生涯の収入を網羅していないことになります。


類似の言葉として、生涯賃金という言葉がよく使われますが、こちらは会社員の生涯の賃金収入の合計です。
ただし、役員の場合は、賃金とは言わないので、全ての人を捕捉する言葉ではありませんが、通常は生涯年収と同義語として使われています。


生涯収入という言葉のほうが、私には自然に感じるのですが、なぜか、あまり普及していません。


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