アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

公的年金廃止論者を見て

ときどき、ヤフーのコメント欄で公的年金廃止論者を見かけることがあります。


実際に公的年金が消滅すると、高齢の生活保護受給者が急増するので、生活保護制度もあわせて消滅させるのでしょう。
それから、老齢年金だけでなく、遺族年金、障害年金も消滅しますので、若年層の生活困窮者も増えるでしょう。
つまり、年齢問わず、社会のセーフティネットがなくなることになるので、それを受け入れるかという話にもなります。



中にはベーシックインカムで代替出来ると主張する人もいますが、ベーシックインカムで全てのセーフティネットを代替するためには相当の額の支給が必要になります。
1人暮らしの生活保護の月額支給額が10万円~13万円なので、これが目安としましょう。
そうすると今まで以上の多額の財源が必要となり、それを税や社会保険料として徴収する必要があります。
現在よりも多額の徴収をして、多額の分配をすることになれば、現役世代の何割かは、今以上に重税感、社会保険料の負担が増して、猛烈に反対するでしょうから、実現しないでしょう。



批判が多い公的年金制度ですが、今の日本のセーフティネットの中核となっています。
一部の政治家や評論家がベーシックインカムを提唱しても具体性に欠き、私が知る限りは、とても現行の制度を代替できる内容にはなっていません。


ただ、現行の公的制度は賦課方式であるため、少子高齢化が進むと何れは資金が枯渇する可能性があります。
そのため、制度を維持するために改定(例、受給開始年齢先延ばし、掛け金納付の上限年齢の引き上げ、など)が繰り返されるだろう、と思っていますし、その世代間の格差は課題の一つでしょう。
また、高齢の生活保護者は、1号加入者で未納期間が多いという傾向もありますので、1号加入者の相互扶助の仕組みも課題でしょう。


公的年金のような社会保障制度は、誰かの負担で別の誰かが受給する仕組みになっています。
しかし、負担軽減を要求する声と受給額の増額を要求する声の両方が常にあり、両者は相反する要望ですので、簡単には課題克服出来そうな雰囲気はありません。