アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

公的年金破綻説?

公的年金は破綻する?
公的年金破綻説を唱える人がいます。


仮に公的年金制度が破綻して、年金生活者への支給が出来なくなった場合、多くの年金生活者は生活保護申請を行い、生活保護制度も対象者激増で支給困難となります。
生活保護制度は税金で運営されていますので、財政が破綻していることになります。
そうなると年金制度だけの問題ではなく、財政立て直しのため、日本の社会保障制度、税制度、国家予算等大幅に見直しが必要となります。
その内容次第では、今後も日本に住むのが良いのか、真剣に考えなければなりません。


しかし、私は、破綻しないように制度の改定が行われる、と見込んでいますので、持続説派です。
ただ、制度の改定の際に受給開始年齢が先延ばしされたり、受給額が削減される可能性は十分あり得ると考えています。


また、もし、制度の改定が行われなくても、物価上昇時には、マクロ経済スライドにより、年金は物価ほどは上昇しない仕組みになっています。


つまり、将来の制度改定あるいはマクロ経済スライドにより、受給額が目減りしたり、実質的に購買力が落ちたり、する可能性が十分にあることになります。



積立方式への移行の可否
公的年金破綻説が出て来ると現行の賦課方式から積立方式への移行を唱える人も出て来ます。
積立方式だと個人毎の積立額によって、年金受給額が決定する仕組みであり、一部の人たちが支持しています。
自分の年金だけは守りたいという考えや、あるいは、自分の掛金納付額を全て自分で受給をしたいという考えの人が支持をしていると推測されます。
ただ、賦課方式から積立方式への移行は、現実的ではありません。


1,積立額に相当するはずの過去の納付掛金がもう無い
我々が過去に納付した公的年金掛金は、賦課方式のため、大部分は既に公的年金受給者に支給されていますので、もうありません。


2,国民年金3号保険者
3号保険者は、公的年金掛金を納付していませんが、年金受給者になります。
積立方式へ移行すれば、当然、年金受給額(あるいは受給予定額)は消滅することになり、年金受給権が消滅した人たちを中心に強い反対運動が予想されます。


3,年金受給額が消滅する高齢者
高齢者の公的年金受給者の中には、既に掛金納付額よりも受給額のほうが多い人もいます。
その人たちは、移行時に無年金者となりますので、強い反対運動が予想されます。


4,終身年金から有期年金へ
若い人にも不都合があります。
現行は終身年金ですが、積立方式となれば、積立額が個人毎に決まっていますので、有期年金となります。
つまり、積立額を全て受給した後には、無年金者となります。


5,遺族年金、障害年金の十分な原資がない
現制度では、加入期間が短くても、加入中に死亡した場合は遺族年金が支払われますが、積立方式となれば、短期間加入者には十分な原資がありません。障害年金も同様に十分な原資がありません。
遺族年金、障害年金の何れも積立額が枯渇次第、給付が打ち切られます。


6,生活保護受給者の急増
上記の2,3,4,5の理由で無年金者になった人の中で金融資産が無い人は、生活保護となり、生活保護受給者が大幅に増加します。



一部の政治家や学者が細部の制度設計も行わずに、単に注目を集めるために積立方式への移行を唱えても、私には説得力が感じられません。



対処方法は?
それでは、どうやって対処すべきなのでしょうか?
難易度は別にすると、やるべきことはシンプルです。


・公的年金破綻説を信じるならば、将来、日本は財政破綻する前提で、行動する。つまり、日本から脱出して、日本円は保有しない。(行き先は、ご自身で判断して下さい。)


・賦課方式から積立方式への移行は、期待しない。


・公的年金は、制度変更(受給開始年齢が先延ばし、受給額が削減)、物価上昇時のマクロ経済スライドにより、受給額が実質的に目減りする可能性も考慮に入れて、リタイア資金を確保する。


公的年金が将来、実質的に目減りする可能性は、政府・厚労省も広く公言しないものの、十分に認識しています。
70歳定年制への移行、パート・アルバイトの厚生年金加入対象者拡大は、掛金を集めるとともに将来の受給金額増加を意図した政策です。



*時事に関しては、あくまでも個人の見解です。