アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

FIREは本当にブームか?

FIREは本当にブームか?
経済的に自立し、早期リタイアを実現する「FIRE(ファイア:Financial Independence, Retire Early)」について、書かれた本が売れており、FIREに関するネットニュースも多く目にするようになりました。


FIREを目指す若者もいるようですが、FIREを実現する若者は、今後、増えていくのでしょうか?
私は、以前よりは増えるかもしれないが、FIREを実現する若者は、ごくわずかだとみています。


わずかでも増加する理由ですが、幾つか挙げます。
・FIREという言葉が浸透して、一つのライフスタイルとして広く認知されつつあること


・以前の無職の若者を指す言葉はドロップアウト、ニートなどネガティブな印象でしたが、FIREは経済的に自立しており、25年分の生活費を蓄積して達成したというポジティブな印象であること


・ロールモデルとなる人物が書いたブログ・本、あるいは特集された記事・ネットニュースなどが多くあり、FIREまでの過程について情報を得ることが簡単であること



一方のごくわずかしか実現できない理由ですが、こちらは最大の要因を一つ挙げます。
・若くして、25年分の生活費を蓄積することは、達成が容易ではない


会社では、20代の若い頃の給与水準は低いことが多く、さらに若い時は、趣味、自己啓発(語学、資格取得など)、デートでお金を消費する機会も多くあります。
そこから、蓄財をして、25年分の生活費を蓄積することは、容易ではないことは誰でも想像出来ます。


そのため、FIREという言葉がブームとなっても、FIREの実現がブームとなることはない、と私は見ています。



FIRE達成の確率が高い条件とは?
そんな中で、FIRE達成の実現確率が高い条件とは何でしょうか?
・若い頃から、高収入であること


・地位財(物的財)、社会的地位への欲求、執着がないこと


・FIRE達成へのモチベーションが高く、節制生活と蓄財を持続出来ること


・資産運用の知識があり、運用益を出しやすい投資環境で投資を実践していること


この条件が揃えば、FIRE達成の確率が高くなるでしょう。
ただ、若い人の気持ちは変わりやすく、家庭環境(結婚、子供の誕生、住宅の購入など)、職場環境(昇進・昇格、異動・転勤、転職など)が大きく変わる機会もあり、たとえ一時期は条件が揃っていても、途中で収入・支出・考え・行動が変わる人も多くいるため、20代、30代でFIRE達成までたどり着く人はごくわずかだと思います。



私は、FIREを推奨も否定もしません。
1つのライフスタイルですから、各人の責任と判断で、結論を出せばいい、と思っています。



FIREと年金
私は、既にアーリーリタイアしているので、FIREを目指す人からは既にリタイアしているという点で先輩・先人にあたる部分もあります。
その私がFIREの懸念する点を挙げるとすれば、公的年金についてです。
リタイア後に数十年もあれば、想定外のことも起こります。想定以上の長寿もあります。
そのときに公的年金が助けになることもあります。
若くしてFIREを達成するということは、厚生年金加入期間が短い、ということです。
厚生年金加入期間が短ければ、当然、将来の年金受取額が少なくなります。
年金の受取見込額を退職する前に確認してから、最終判断としてFIREしても遅くはありません。
また、FIRE可能な資産形成後も会社員を続けることに拒否感がなければ、会社員を続けることも選択肢の一つですし、職場環境に問題があるのであれば、転職も手段の一つです。
会社員の期間が長ければ、資産も増額し、将来の年金の受取額も増加し、経済的に困窮する可能性がより低くなりますし、カツカツの節約生活から解放されて、経済面で余裕も生まれます。
特別な理由(例、肉体的あるいは精神的に限界)がなければ、急いでFIREする必要はありませんし、ギリギリの計画は狂いが生じやすいものです。
FIREすることだけでなく、そのタイミングも自分でベストなタイミングを選べばいいと思います。



私の場合
ちなみに私はFIREを自称したことはありません。
FIREを目指したわけではありませんし、50を過ぎてFIREを自称するのは気恥ずかしいというのもありますが、それ以外の理由の一つが4%の運用益を数十年に渡って継続することは私にはハードルが高すぎることです。
過去の自分の運用成績を振り返ると単年で見れば、4%の運用益を達成することもありますが、達成出来ていない年もあります。
そのため、資産の取り崩し、年金の受取を見込んで、将来の資産額を計算しています。
50前後でリタイアをしていれば、4%の運用益にこだわることもなく、将来の年金もある程度はあてに出来る金額になります。
私にはそれが現実的な対処に思えます。
50代でのアーリーリタイアは、20代、30代でのFIREよりも多くの人が実現していますし、これからもその傾向は変わらないでしょう。


FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド
FIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッド
ダイヤモンド社
Digital Ebook Purchas