アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

「謎理論」日本は消費者が低価格を求めるから賃金が安い?

ネットの記事で、謎理論を見かけることがあります。
今日は、「日本は消費者が低価格を求めるから賃金が安い」という謎理論についてです。


この謎理論を提唱する人の考えでは
・日本は消費者が低価格を求め過ぎる国民性だ
・そのため、製造、小売りともに相当のコスト削減の企業努力を強いられる
・そのため、企業は人件費も抑制する
・そのため、日本の賃金は安い
・だから、消費者が低価格を求めずに高い価格でも買うようになれば賃金は上がる
という説です。
一見、もっともらしいので、それなりに支持を得ます。


ただ、この理屈が正しければ、定価販売のコンビニの店員の賃金は高い、となりますが、実際はそうでもありません。


賃金は、小売単価と強い相関があるわけではなく、労働市場と強い相関があります。
つまり、労働市場から人を採用するためにいくら必要か、社内に人が定着するためにいくら必要か、で賃金が決まる。
つまり、安い賃金で人が採用出来る間は賃金は上がらない。


また、低価格を求め過ぎるのは、行き過ぎた価格競争が原因です。
行き過ぎた価格競争は、国民性の問題ではなく、商業施設、飲食店が供給過多になった結果でしょう。
どこの国だって全く同じものが同じ場所で違う値段で売られていたら、安いほうから売れます。
逆に田舎町にいくとスーパーが1軒しか近隣にないので、価格競争がなく、ほぼ定価販売ということもあります。
ただ、供給過多は多くの人が安く近くでいろんなものが入手出来るように願った結果の産物なので、簡単には解消しないでしょう。