アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

アーリーリタイアと「何の疑問も持たないのかね。」

「何の疑問も持たないのかね。」
私が大学生のときに、ドイツ語の講義中に講師が雑談を始めて、その中で、
「小学生は毎日、同じ時刻に学校に行っているけど、何の疑問も持たないのかね。」と言っていたことを憶えています。
おそらく、その講師は、比較的、時間の融通が効く人生を過ごしてきたのでしょう。
なぜ、そんな話になったのか、前後の流れは憶えていませんが、その1フレーズだけ、なぜか、記憶に残っています。


ただ、小学校は6年で卒業ですが、会社員は大学卒業から65歳定年退職まで43年、70歳定年に移行した後は、48年要します。(留年、浪人しない場合)
40年以上も、平日は毎日、同じ時刻に会社に行って、夕方以降に帰宅する、残業があれば深夜に帰宅する生活を過ごしますが、小学校6年間よりも遥かに長い年数を、しかも、1日でみても長い時間を勤務時間として過ごします。


それを考えると、あのドイツ語講師の言葉は
「会社員は定年まで毎日、同じ時刻に会社に行っているけど、何の疑問も持たないのかね。」
と言うほうが、しっくりときます。
しかも、都市部では、満員の通勤電車でぎゅうぎゅう詰め状態の苦行の末、会社にたどり着く有り様です。(私が日常生活で最も嫌いなもののひとつが満員の通勤電車です。)


最近は、時差通勤、リモートワーク等がオフィスワーカーに普及しつつあり、毎日、同じ時刻に会社に行く、というスタイルは必須ではない会社員もいます。
それでも、65歳、70歳の定年退職まで勤務を継続すると、健康寿命は定年退職後は数年という短い期間です。


日常生活が医療・介護に制限されることなく自立して過ごせる健康寿命は、日本人男性は72.14歳、日本人女性は74.79歳だそうです。(2016年時点厚生労働省調査)
その後、医療・介護を受けながら、男性は約9年、女性は約12年過ごして天寿を全うすることになります。
つまり、定年退職まで勤務を継続すると、健康寿命の大半を会社勤めで過ごし、定年退職後の健康寿命はわずかで、その後は医療・介護を受けながら余生を過ごす、となってしまいます。



自分のペース
会社員時代は、出社時刻が定められているだけでなく、組織の一員として仕事をします。
組織が機能的に活動するためには、組織内に部門があり、部門毎に役割があります。
社員の中にも、職位・肩書きがあり、それぞれの職位・肩書きに権限が付与されています。
社員は、それぞれの役割、権限に従って、仕事が割り当てられ、その仕事を遂行することによって、給与所得を得ています。
仕事を遂行する上では、個人の考えよりも、組織の決定事項を優先し、個人の裁量は限定されています。


私はアーリーリタイアをしたら、自分のペースを取り戻した気がします。
朝は、目覚まし時計に起こされるのではなく、自分が目が覚めると起床し、満員電車ではなく、自動車・自転車で移動、翌日の予定は自分で決める、あるいは当日の天気で決める、
その自分のペースで生活している、という実感が気に入っています。


自分の行動を自分で決める、自分の時間の配分は自分の判断で決める、この自己決定権があることが、自分のペースで生活している、という実感につながっているのでしょう。



以前の記事で、アーリーリタイアの3大要因の一つに「賃金労働に縛られない自由への憧れ」を挙げています。
この「賃金労働に縛られない自由への憧れ」を持つ人は、自己決定権による自分のペースでの生活を楽しめるのではないでしょうか。