アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

アーリーリタイアと地位財(物的材)


アメリカの学者が定義した言葉で地位財(positional goods)という言葉があります。
定義は、「周囲との比較によって満足が得られる財」となっています。例えば、収入、肩書き、物的材(高級自動車、ブランド品など)
それに対して、非地位財(non-positional goods)とは「他人との比較と関係なく満足が得られる財」とあります。例えば、健康、自由、愛情など


地位財の獲得による幸福感は長続きせず、一方の非地位財の獲得による幸福感は長続きする、とされています。
それなのに、なぜ、人は地位財を求めるのか、それは周りよりも良いものを獲得したいというのが人間の習性であり、その習性のおかげで人類は進歩してきた、という説があります。


この地位財、特に物的材(高級自動車、ブランド品など)が生活費に大きな影響を与えます。
生活費をコントロールするためには、地位財への欲求をコントロールするのが有効な手段であり、欲求をコントロール出来なければ、生活費が増大する、ということになります。


私個人の印象としては、物的材への欲求は経験や年齢を重ねるに従って、新鮮さが無くなり、穏やかになっていく印象があります。
例えば
・新車を初めて購入したときは感激が大きかったものの、次の買い替えで新車を購入したら、以前ほどの感激は無い
(なるべく今の車を大事に長く乗ろう、と最近は思います。)


・初めて高級なレストラン・宿泊施設を利用したときは感激が大きかったものの、最近は以前ほどの感激はない
(レストランは高級でなくても、衛生的で美味しい料理があればいい、宿泊施設は高級でなくても清潔で居心地が良ければいい、と最近は思います。)


物的材への欲求が薄れることと並行して非地位財(健康、自由、愛情など)の価値を以前よりも強く感じるようになります。


一方で、私と同年代でも地位財への欲求が強い人たちもおり、高級時計、ブランド品を身に着けて高級自動車に乗り、収入が上がれば、より高級なものを手に入れます。



アーリーリタイアに向き不向きな性格があるとすれば、地位財、特に物的材に対する欲求の違いでしょうか。

地位財への欲求が強い人は、新しい地位財を獲得するための収入を維持するために働き続けるでしょうし、地位財への欲求が穏やかで非地位財への価値を重視する人は、アーリーリタイアに向いていると言えるでしょう。