アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

賃金労働に縛られない自由

賃金労働に縛られない自由という言葉を何度か、ブログの中で使っています。
この言葉について、書いてみます。


理不尽と不合理
鋼の錬金術師というアニメの中で、等価交換の法則という言葉が出て来ます。
アニメのオープニングで、
「人は何かの犠牲なしに何も得ることは出来ない。 何かを得るためには同等の対価が必要になる。」
というセリフが呟かれます。
この「対価が必要」という考えは、賃金労働を含む多くの物事に当てはまります。
会社員は、会社に自分の時間を労働という形式で提供し、会社はその対価として給与を支払います。
その労働と給与の交換で、会社員は生活の糧として給与を得て、会社は事業から利益を獲得して、株主に配当を分配することになります。
良く出来た仕組みだと思います。
ただ、会社員は時間や労働を提供するだけでなく、自己決定権が制約されることになります。
会社は組織で活動します。
各社員がばらばらに動いていると組織が機能しなくなります。
組織として機能させるためには、方針、規則、意思決定のプロセス、業務のプロセス、社員の権限・義務・役割などを定めて、各社員が取り決めから逸脱しないようにします。
その過程の中で、理不尽・不合理なことが起こり得ます。
例えば、職位を乱用したハラスメント、間違った認識による意思決定、合理的ではない非効率な業務のプロセス、不透明な人事評価制度など。
自己決定権が制約されている中では、理不尽・不合理なことがあっても、それを受け入れたり、受け流したりして、対応することがあります。


「ブラック企業」、「パワハラ」、「社畜」、「無駄・無意味な仕事」、「現場・実務を知らない経営層」、「無能・無気力な社員」、「バカな上司」、「使えない部下」、「成果が報われることがない会社」という言葉がこの世からなくならない理由の一つは、社内での理不尽・不合理がなくならないからです。



自己決定権の獲得
人権が尊重されるべきという現代社会で、自己決定権の獲得というといつの時代のことだ、と思われるかもしれません。
自身の価値観、倫理観に基づいて、判断、行動するのが、自己決定権を持つということであれば、勤務時間中の会社員は自己決定権がかなり制約されています。
社会生活を営む上では、法令を遵守する必要がありますが、その法令の枠組みの中で、自身の価値観、倫理観に基づいて、判断、行動することを獲得するのが自己決定権の獲得であり、それを賃金労働に縛られない自由と表現しています。
もし、日常生活で仮に理不尽・不合理なことが起こっても、自身の価値観、倫理観に基づいて、判断、行動することで対処します。



その仕事は余命宣告されても続けますか
賃金労働に縛られない自由は、いらない、理解出来ないという人がいれば、「その仕事は余命宣告されても続けますか」と問いたいです。
「余命宣告されても死の直前まで仕事を続ける」と答える人は、本当に賃金労働に縛られない自由は、いらないということでしょう。
「余命が限られるのであれば、限られた時間は別のことに時間を使いたい」と答える人は、賃金労働に縛られて生活をしていた、ということだと思います。


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