アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

ベーシックインカムの是非

ベーシックインカムを導入すべき、という意見をたまにテレビで聞きます。
最低保証の生活費を全ての国民に給付するという制度です。
推進派の人は、どこまで具体的に制度を検討しているのか、デメリットへの対応を考慮しているのか、全くはっきりしないので、新しいイデオロギー(政治思想)を主張しているだけのように見えます。


日本では既存の公的老齢年金、公的遺族年金、公的障害年金、生活保護で生計を立てている人が多くおり、それらをベーシックインカムに置き換えると給付が減額される人が多く出るため、相当の反発・反対運動が起こり、導入は難しいだろう、私はみています。
しかし、過去の国政政党への意識調査、国会議員の意識調査をみると、ベーシックインカムへの賛否は拮抗しているようで、少し意外でした。


私個人としては、ベーシックインカムの導入の是非は既存制度からの移行について慎重に検証した後に判断すべきと考えます。
その検証が伴わない推進派の主張は、自身のイデオロギー(政治思想)を主張することで自己満足を得ているだけのように見えます。


私は、具体的な内容がわからないものに賛成することはありません。
そのため、具体性を欠くベーシックインカム制度に賛成することはありません。


それよりも、現状の各種制度(公的年金、健康保険、生活保護)の不公平感を生み出す問題点を個別に是正してもらったほうが、現行制度への理解・支持が浸透し、速やかに多くの人に公平感をもたらすと考えています。
不公平感の例)
・健康保険制度の窓口負担の世代間の不公平感
(現役世代3割負担、高齢者1割あるいは2割負担)


・生活保護世帯と現役ワーキングプアとの可処分所得の逆転
(働いているほうが貧しいようでは勤労意欲をそがれてしまう)


・国民年金未納の高齢者生活保護世帯と国民年金受給者世帯の可処分所得の逆転
(この状況が放置される限り、年金未納者はなくならない)
など


ベーシックインカムの賛否よりも、まずは、現行制度の不公平感、問題点を是正して、その後、必要であれば、腰を据えてベーシックインカムの議論をして頂きたい、と感じます。


ただ、現行制度の不公平感、問題点を是正は、目玉政策とはなりにくく、さらには是正されると現在恩恵を受けている層が不利となるため、猛烈な反対活動が予想されます。
政治家からすると、票の獲得は不透明だが、一部の票を失うのは明らかな政策となりますので、そのような政策に取り組もうという政治家は、なかなか出てこないでしょう。



*時事に関しては、あくまでも個人の見解です。


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