アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

格差が大きい高齢者の金融資産

格差という言葉は、行政批判や社会制度批判をする際に利用されることが多いように感じますが、そういう意図はこの記事にはありません。
ただ、他にピッタリとする言葉が見つからなかったので、タイトルは「格差が大きい高齢者の金融資産」としています。



お金を持っているのも高齢者、お金が無いのも高齢者
日本の個人金融資産の65%を60歳以上の高齢者が所有というレポートを見ることがあります。
その割合は増加傾向にあり、2035年には70%以上となるという推計もあります。
言い換えると、日本では金融資産を持っているのは高齢者が多いということになります。


一方で、生活保護世帯の55%以上が65歳以上の高齢者というレポートを見ることもあります。
こちらは、日本では困窮した生活を送っているのは高齢者が多いということになります。


つまり、お金を持っているのも高齢者、お金が無いのも高齢者ということです。



若い頃(特に20代前半)はみんなお金に余裕が無い
若い頃(特に20代前半)は、みんなお金に余裕がありません。
金融資産が3千万円以下の世帯をマス層と呼ぶことがありますが、おそらく、20代前半の99%以上の人はマス層か、あるいは大学生などの扶養親族です。
20代前半の頃は、給料は低めであり、社内でのポジションも低く、会社員はプロスポーツ選手とは異なり、一気に年収が数倍になることもありません。
だから、20代前半の頃は、ほぼ全員がマス層です。



年齢を重ねるに従って広がる格差
それが、30代、40代、50代と年齢を重ねるに従って、金融資産の格差が広がっていきます。
年収、生活費、家族構成、資産運用が人それぞれ異なりますが、年齢を重ねるに従ってそれらが積み重なり、金融資産の格差が広がっていきます。
そして、60代以降の高齢者が最も金融資産の格差がある世代となります。
新入社員のときはマス層だった人の中から一部の人は金融資産を積み上げて、アッパーマス層(3千万円~5千万円)、準富裕層(5千万円~1億円)、富裕層(1億円~5億円)となっていきます。
普通の会社員であっても、夫婦フルタイム共働き世帯や資産運用と退職金で60代には金融資産1億円越えの人もいます。
一方で、マス層から抜け出すことなく高齢になる人もいます。
定年退職後に毎日の生活費の捻出に苦労して、新たな仕事を探しても、高齢者向けの求人は限定されています。
その中には、生活保護で生計を立てる高齢者もいます。



給与収入を継続的に得ることが難しい高齢者ほど、金融資産の格差が大きいというのは皮肉な話だと思います。
しかし、今だけでなく、将来も起こる話です。


つまり、どの時代でも、お金を持っているのも高齢者、お金が無いのも高齢者ということです。


私は、身の丈以上のお金は(もちろん、あってもいいけど)なくてもいい、と思うほうですが、それでも、お金のことで困窮する状況は避けたいですし、高齢でそのような状況になれば、辛いと思います。