アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

アーリーリタイアと適正年齢(私の場合)

資金の確保
20代、30代前半の頃は、老後やリタイア生活というのが、はるか先のことであり、そのための資金を確保することなど考えられませんでした。
ただ、20代の頃、老後の資金の重要性について語る知人がおり、生活の負担にならない範囲なら、と個人年金に加入しました。また、当時働いていた会社には企業年金制度がありました(企業年金を求めて就職した訳ではありません)。個人年金、企業年金のどちらも偶発的な理由で加入したことになりますが、これがリタイア資金の一部を構成することになります。


30代の頃、株、投資信託、外貨MMFを短期売買をしていました。長期的な視点で資産形成をするという考えではなく、ゲームのような感覚でした。含み益が出たら、売却して、その資金を元手に別の銘柄を購入するということを繰り返して、金額を大きくするというゲームです。ただ、継続的に益を確保するのが難しく、そのうちゲームにも飽きて、放置することになります。放置している間も配当収入がありましたし、アベノミクス以降に株価が上昇したこともあり、これもリタイア資金の一部を構成することになります。


40代の頃、地位財の一つである物的材にお金を使うことも外飲みすることもがめっきり少なくなり、生活がシンプルになりました。物的材への欲求は、もともと強いほうではなかったのですが、経験や年齢を重ねるに従って、新鮮さが無くなり、穏やかになっていく印象でした。結果として、収入が支出を大きく上回り、その差額がリタイア資金の一部となります。


50歳になり、とある事情で当時の会社を退職しました。自分なりに今後の過ごし方を検討した結果、そのままアーリーリタイアすることにしました。その後、数年間アーリーリタイア生活を過ごしています。アーリーリタイアを決断するにあたり、85歳時点での金融資産残高の試算を行い、資金の確保が確認出来たことが決断の一因となります。


仕事への熱量の低下
仕事への熱量の低下もあります。大学を卒業して、新社会人となり、その後、数回転職をしましたが、50歳でアーリーリタイアするまでの間、仕事への熱量の起伏は、以下のようになります。
20代から30歳前後までが、仕事への熱量のピークでした。新しい知識・技術を習得したり、新しい業務にチャレンジしたり、それらが成果につながり、評価されることによって、達成感、充実感を感じていたのだろう、と思います。非常に多忙ではありましたが、短い期間にいろんな経験を積んだなあ、と感じます。
30代から40代にかけて、少しずつ、仕事への熱量が低下していきます。仕事の内容も管理・調整という類のものが増えていきます。不誠実・利己的な人と仕事をして不愉快に感じたり、保身のために平気でウソをつく人間に呆れたり、仕事上の人間関係も煩わしいと感じることが増えてきました。知識・技術の習得も20代の頃のような知的好奇心・知識欲を刺激されることもなく、業務上必要な知識・技術を淡々と習得している感じになっていきました。
仕事への熱意の低下といっても、手を抜いている訳ではなく、やるべきことはやっており、周囲から批判されるようなことは何もないが、熱意が低下していくともに大きな達成感・満足感を感じることもなくなり、目標と呼べるものもなく、純粋に生活の糧として、仕事を続けている、そんな状態でした。


賃金労働に縛られない自由への憧れ
賃金労働に縛られない自由への憧れは、若い頃からありました。会社組織内では、理不尽、不合理と思いながら、納得出来ないことであっても受け入れる(あるいは受け流す)ことがあります。賃金労働そのものより、理不尽、不合理なものを納得しないまま受け入れることへの嫌悪感が強かったと思います。
50歳でリタイア資金が確保出来ていることが確認出来たら、その嫌悪感のある環境に復帰する意欲は全く湧いてきませんでした。
賃金労働に縛られない自由への憧れの対義語として、社会的地位へのこだわり、を挙げます。もし、獲得した社会的地位へのこだわりを維持したいと思う人は、そちらを優先し、アーリーリタイアすることはないでしょう。高齢の会社役員、高齢の政治家を見ていると、定年制度がないため、社会的地位へのこだわりが強い人は、健康である限り、リタイアを考えていないように見えます。


アーリーリタイアに最適な年齢(私の場合)
私の場合、50歳まで会社勤めをしていたことを後悔しているつもりはありません。不愉快に感じること、苦痛に感じることもありましたが、仕事を通して、多くの経験をして、その結果、今の自分があります。
ただ、もう一度、会社勤めをするか、と聞かれたら、答えはNOです。もう、十分勤めて、多くの経験もしました。これからは、別のライフスタイルでいきます。


アーリーリタイアに最適な年齢は、何歳なのでしょうか? という質問に対する答えですが、私の場合は、50歳でアーリーリタイアしたのが、最適だった、ということになります。