アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

FIREとベーシックインカム

ベーシックインカムを導入すべき、という人たちがいます。
最低保証の生活費を全ての国民に給付するという制度です。


私は、ベーシックインカムの導入には非常に懐疑的です。
主な理由は、3つあります。


1,財源をどうやって捻出するか
消費税増税を挙げる人もいます。
しかし、そもそも税金は多くの人から集めて、公共の福祉に使うものであって、そうではなく、大型増税を行い、集めた税金を直接、全員に分配します、という政策に支持が集まるとは思えません。
そんなことをするなら、増税するな、という意見が多数派と見ています。



2,既存の公的老齢年金、公的遺族年金、公的障害年金、生活保護の取り扱いが不透明
大型増税をせずにベーシックインカムを導入すると主張する人もいます。
その主張は、既存の年金制度、生活保護制度を財源にするというものです。
しかし、その場合は、既存の年金制度、生活保護で生計を立てている人の受給額が減額される可能性があります。
そうすると、今までの生活を維持出来なくなる人が出て来ますので、相当の反発・反対運動が起こるでしょう。



3,具体性に欠く提言は信用出来ない
他の政策もそうですが、具体性に欠く提言は信用出来ません。
例えば、物品あるいはサービスを購入するときに、具体的な内容については事前には説明しません、と言われたら、私は購入しません。



私は、日本でベーシックインカムが導入される可能性は、ほとんどないと見ています。


一部の国や地域でベーシックインカムが導入されているという反論もあるかもしれません。
あれは、大掛かりな社会実験です。
将来に渡って、衣食住が確保出来るほどの支給が約束されている訳ではありません。
社会実験の断面を見て、海外事例が既にあると言われても、説得力はありません。



しかし、仮にベーシックインカムが導入された場合、FIREは容易になるのでしょうか?
制度の詳細に依存しますので、断定的なことは言えませんが、おそらく、NO、つまり、FIREは容易にはならない、と私は見ています。


理由は、
・増税が伴う。特に日本は高齢化のため、大きな財源を得るにはリタイア世代も納税者となる消費税増税が有力となる。そうなれば、現役時代の蓄財も厳しくなり、リタイア後も増税に悩まされる。


・年金が減額される可能性もあるため、老後資金が必要であることに変わりはない。仮に年金は減額されないということであれば、消費税増税はかなりの高税率となる。


・仮にベーシックインカムが導入されたとしても、制度の持続可能性が疑わしいので、結局は自前で老後資金を確保することになる。
というところです。



まあ、導入も制度の詳細も具体的に議論されていないので、それへの対応も妄想のようなものです。


もし、ベーシックインカム導入がFIREへの近道になると期待している人がいたら、それは可能性が極めて低いものを期待していることであり、報われないので、期待するのは止めたほうがいいのではないかと思います。