アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

公的年金受給の繰り上げ、繰り下げ

公的年齢の受給開始年齢は65歳が基本ですが、繰り上げ、繰り下げすることも可能です。
現状では、大部分の人が65歳から受給を開始しており、繰り上げ、繰り下げする人は少数派です。



なぜ、65歳から受給開始する人が多いのか
なぜ、65歳から受給開始する人が多いのか、ちゃんと理由があります。
1,加給年金
20年以上の厚生年金加入者で年下の配偶者がおり、配偶者の年収が850万円未満の場合、配偶者が65歳まで加給年金が加算されます。
この加給年金は本人が65歳から支給されますが、繰り上げ支給では受給出来ず(65歳から受給)、繰り下げても増額されません。



2,振替加算
配偶者の厚生年金加入期間が20年未満で1966年4月1日以前に生まれている場合、配偶者が65歳から配偶者の老齢基礎年金に振替加算がプラス支給されます。
この振替加算も繰り上げ支給では受給出来ず(65歳から受給)、繰り下げても増額されません。



3,特別支給の老齢厚生年金
昭和36年4月1日以前に生まれた男性、昭和41年4月1日以前に生まれた女性は、特別支給の老齢厚生年金が60代前半から65歳になるまで支給されます。(支給額、支給開始年齢は加入者の誕生日により、異なります。)



4,税、健康保険、介護保険の負担増
繰り下げ受給をすると、1ケ月あたり0.7%増額され、5年間繰り下げ、70歳で受給開始すると42%増額されます。
それに従い、税、健康保険料、介護保険料の負担も増加するため、手取りは42%も増額されないケースが多くあります。



上記の加給年金、振替加算が受給できる人は、繰り下げを行うと受給額が実質的には減額することになります。


上記の特別支給の老齢厚生年金が受給できる人は、繰り下げを行うと年金収入が一時的にダウンすることになります。


上記の税、健康保険、介護保険の負担増を考えて、負担増を避けるためにあえて繰り下げしない人もいます。


テレビで、繰り下げ支給しない人は、それまで待てない人が多いからだ、とコメントする人を見ることがありますが、そんな単純な理由ではありません。


60代に近くなると年金制度を調べて、自分は何歳から受給するのが良いか、考えて結論を出している人がそれなりに多くいるということです。


今の60代、70代だと、夫がフルタイムで仕事をしており、妻が年下で結婚、出産後はフルタイムでは仕事をしていないケースが多くあります。
その場合は、夫は65歳で受給開始すれば加給年金が満額受給出来るし、妻も65歳で受給開始すれば振替年金が満額受給出来ます。
さらに夫は60代前半から、特別支給の老齢厚生年金の受給もしますので、そのまま、65歳から老齢厚生年金の受給をするのが一般的、となります。



私の場合
私は、独り身ですので、加給年金、振替加算は関係ありません。
また、年齢的に特別支給の老齢厚生年金の対象外です。
そのため、税、健康保険、介護保険の負担増を考慮して、年金受給開始年齢を決めようと考えています。


繰り上げ受給派の意見の中には
・少しでも早く受給しないと早死すると損だから
・高齢で寝たきりになったら、お金を使わないから
という人がいますが、私は考えが異なります。


私の考えは以下の通りです。
・公的年金は、損得で考えるのではなく、長生きしたときの保険です。
・高齢で寝たきりになったときこそ、介護でお金が必要になります。


高齢になり、体が若い頃のように動かずに稼ぐことが出来ず、蓄えもない、年金も切り詰めた生活費ギリギリという貧困の中で生活するのが、やっぱり、厳しい老後です。





以前にも、同じような記事を書いています。