アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

リタイア生活での正常性バイアスの付き合い方

正常性バイアスとは
正常性バイアスという言葉があります。


通常とは異なる事態にあったとき、「そんなことはありえない」といった先入観や偏見で、「事態は正常の範囲」だと認識することです。
例えば
・台風や集中豪雨で浸水警報が出ていても、長年住んでいて今まで大丈夫だったから今回も大丈夫なはず、
・重い病気になっても、今まで自分は健康体だから、大したことはないはず
というもので、根拠が不十分な自信過剰のようなものです。


リタイア生活における正常性バイアス
リタイア生活にも正常性バイアスというのがあるんだろうな、と思うことがあります。


リタイア生活直後は、慣れないことが続きます。
例えば金銭面であれば
・会社員時代の所得に課税されて、時間差で納付が必要な住民税
・健康保険の取り扱い(任意継続 or 国民健康保険への切り替え or 親族の扶養に入る)
・確定申告
などです。


これが1年あまり経過して、新しい支出が無くなってくると収入、支出に関する将来の見通しも良くなり、経済的に余力があることが確認出来れば楽観的になってきます。
今まで問題なく過ごせたので、これからも問題なく過ごせるはず、という正常性バイアスの一種と言えるでしょう。


しかし、長い間には計画外の支出があり、あるいは、株式相場の下落・低迷による運用資産の減少などがあり得ます。
そういったことが起こっても、乗り越えていかなければなりません。


私個人の考えですが、金銭的な側面に関しては、多少の計画外の出来事は比較的対応がしやすいものです。
収入も支出も資産も金銭的な価値は計算出来ますので、想定外のことが発生しても、それを将来の計画に組み込んでいけば、将来の見通しはつきます。


予測が難しく、個人の裁量や努力では対処出来ないのは、健康面(病気、ケガ、入退院、手術など)ですね。
こちらで出来ることは、生活習慣に気を付けて生活習慣病を予防し、定期的に健康診断を受けて、早期発見、早期治療を心掛けていくくらいです。


正常性バイアスへの対策
いわゆる正常性バイアスへの対策ですが、一般論として以下のようなことが挙げられています。
・いろんな状況を想定する (例、計画外の高額の支出が必要)
・行動指針をつくっておく (例、資金を捻出する方法を用意)
・思考停止せずに考え続ける(例、代替策はないのか)


状況を正確に把握して、適切な判断をすることが重要なのですが、そのためには事前にいろんな状況を想定して、その出来事に対処する手続きを用意しておく、ということでしょうか。
しかし、私には最後の「考え続ける」ということが印象に残りました。
何か災いが発生したときには、事前に想定・準備しておくことも大切なのですが、それと同じように対応を考え続けることが大切なのでしょう。
そうすることで、想定内のことも、想定外のことも自分なりに対応出来る力がつく、ということでしょうね。


私、心理学は専門ではないのですが、心理学の用語を日常生活に照らし合わせて、物事を考えることがあります。
考え方を整理するのに役立ちます。


しかし、正常性バイアスがあって、いろんな環境変化の中でも大丈夫という心の平穏を保てる効果もあります。
リタイア生活でも正常性バイアスとうまく付き合っていきましょう。