アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

物価と賃金の安い国、日本

私が大学生の頃は、日本は物価が高い国と言われていました。
ところがそれから30年余り経過して、大部分の海外諸国は物価も賃金も上昇した一方で、日本は物価も賃金もほぼ横ばいの状態が続き、今は、先進国の中では物価と賃金が安い国と言われるようになりました。


労働の対価である給与収入が無い私にとっては、物価が安定していることは好都合です。
ただ、今後も物価が安定して、上昇しないことが続くとは考えづらいです。
理由は、輸入品の値上がりです。
地球上の人口が増えて、さらに経済的に豊かな人も増えていけば、需要の増加とともに国際価格は上昇していきます。
また、海外諸国の物価と賃金が上昇していけば、海外での生産コストも増加していきます。
そのため、食料品、工業製品の原材料、エネルギー関連品目などの輸入品の国際価格は上昇していきます。
そうすると、国内企業の努力では値上げは避けられなくなります。



輸入品、あるいは輸入品を原材料にしているものから、今後も値上がりは続くんだろうな、と思っています。
物価の値上がりは年金生活者のような給与収入がない人の生活を直撃します。
公的年金は物価が値上がりするとマクロ経済スライドにより、支給額は実質的に目減りします。
ただ、日本には年金生活者がそれなりに多くいますので、そういう人たちへの選択肢はなくならない、とも思います。
つまり、安価な食料品、安価な衣類、安価な宿泊施設、などの選択肢が残るのであろう、という意味です。
貧乏旅行や節約生活は、一人暮らしの大学生の代名詞のような時代もありましたが、これからは一人暮らしの大学生のみならず、高齢の年金生活者の代名詞になる時代かもしれません。
実際に貧乏な高齢者を指す言葉として、下流老人という言葉が使われていますし。



ただ、一方の賃金は上昇する気配はありません。
賃金が上昇すると、国産品も値上がりをするのは困りものですけれども、それでも平均所得が上昇していくと、将来を楽観的に考えて、活気がある国になるのでしょうか?
それとも、たとえ平均所得が上昇しても高齢化が進んだ日本の社会では、将来の老後の資金を気にして、消費はそれほど活発にならないのでしょうか?


私が生きている間には、輸入品の値上がりに引っ張られて、国産品も値上がりし、そうすると平均所得が上昇する時代が来ると思います。
そのときには、多くの人の消費活動が変わるのか、変わらないのか、答えがわかるはず。



安いニッポン 「価格」が示す停滞 (日経プレミアシリーズ)
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日本経済新聞出版