アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

AIと生産性の向上

生産性の向上
生産性の向上という言葉があります。
企業内では、従業員1人当たりの製造数量とか、従業員1人当たりの売上高で示すこともあります。
従来の生産性の向上の手法は、作業を自動化したり、作業効率を向上させる方法でした。
例えば
機械化であれば、機械を導入することで手作業での工程を自動化します。
システム化であれば、手作業の集計作業をシステムで集計したり、紙での申請・承認の代わりにシステム上で申請・承認します。
プロセスの変更であれば、実店舗販売からインターネット販売に切り替えたり、受注や予約を対面・電話からインターネットに切り替えたりします。


ときには機械化、システム化、プロセスの変更を組み合わせて、生産性の向上を図ります。


最近は、AIの導入も生産性の向上に寄与出来ると考えられています。



チェス、将棋、囲碁
チェス、将棋、囲碁のゲームソフトがありますが、その3つの中ではチェスのソフトの開発が比較的容易とされています。
理由は、将棋になるととった相手の駒を使うことが出来るため、指し手のパターンが飛躍的に増えるためです。
囲碁になるとマス目の数が多いため、指し手の数がさらに増加するので、ソフトの開発もさらに難しいとされています。
実際に名人クラスとコンピュータが対戦して、最初にコンピュータが勝利をしたのは3つのゲームの中ではチェスでした。
そのうち、将棋も名人と対戦する企画で名人に勝ち、囲碁も名人クラスと対戦して勝敗が拮抗する状態にあります。


この手のソフトですが、従来は、指し手のパターンをあらかじめプログラムの中に組み込む方式だったそうです。
そうすると、パターンが多い将棋、囲碁は、全てのパターンを網羅することが困難なため、ときどきとんでもない悪手を指すこともあったそうです。


ただ、最近は、AIの技術でゲームの指し手を学習させる方式だそうです。
最初は、人間の上級者が相手をします。AI側は初心者なので、人間の上級者には勝てませんが、上級者の指し手から、どの局面であればどの指し手が有効かを学習していきます。
対局を重ねる毎にAIが指し手を学習して強くなっていき、やがては、上級者を負かすようになります。
そして、次ぎはより強い上級者、さらには他の従来型のゲームソフトと対戦し、さらに学習していき、なかなか対等な対戦相手が見つからないレベルになると、最後は、AI同志を対戦させて、さらに強くなっていきます。
やがては、人間界の名人クラスにも勝てるレベルに成長していきます。



AIと生産性の向上
話を生産性の向上に戻します。
従来の生産性の向上の手法であった機械化、システム化、プロセスの変更を行っても、判断業務は人間の仕事として残る、と考えられていました。


しかし、AIがここまで進歩してくると判断業務もAIで可能になっていく時代がくることを予感させます。
映画やドラマの話ですが、医療用画像診断のAI、犯罪捜査用犯人プロファイリングのAIなどが登場してきますが、おそらく、現在の科学技術でも資金と時間さえかければ実現出来るように思います。
これらが、広く普及するためには、十分な費用対効果が見込めるコストで、平均的な専門家よりも精度の高い診断、判断が出来ること必要ですが、何れは、普及していくのでしょう。
最初は、限定された専門領域で実用化されていき、その後はコストダウンでさらに適用出来る領域を広げていく、最終的には、判断業務は人間の仕事として残る、というのは昔の話となっていく可能性があります。


生産性の向上したと喜ぶべきことなのか、あるいは、判断業務さえも人間は不要になったと寂しさを感じることなのか、私にはよくわからない世界です。


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