アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

Die with ZERO, そんなピッタリ出来る?

Die with ZERO という書籍があります。


アメリカのお金持ちが書いた本で、アメリカでも日本でも売れている本です。
内容は、時間の限りのある人生でより充実した日々を過ごすためにお金を積極的に使おう、ということらしいです。
生涯で使い切れないほどの資産がある人が、とるべきお金の使い方としては良いのかもしれません。


ただ、普通の人が額面通り、真似するとお金を散財して、老後は貧困になる、という結末になりかねません。
普通の人にとって「お金を使い切って死ぬ」に最も近い方法は蓄えを一切持たず、老後は年金収入だけで生活費をまかない、次の年金支給日までに使い切る、ということになります。
多くの人の場合、公的年金だけでは生活はゆとりが無く、節制した生活になります。
蓄えが一切無いのであれば、夏にエアコンが故障しても買い替えが出来ず、体調が悪くなっても病院に行かずさらに悪化させてしまう可能性もあります。


あの世にお金は持っていけないから、この世で「お金を使い切って死ぬ」という考えは、心情的には理解出来る部分があっても、いざ、実践するとなると、かなりカツカツの節約生活になることになり、あまり羨ましいとは思いません。


お金は、貯め過ぎても余るだけでは貯める意味がなく、使い過ぎても貧困の老後が待っている、という結末になります。
だから、身の丈に合わせて、お金の使い方を考えながら過ごす、というのが私の考えです。(というか、多くの人が実践していることでしょう。)
でも、こういう当たり前過ぎる内容は、出版しても注目を集めることがないので、Die with ZEROという目を引くタイトルにして、人生をもっと有意義に過ごそうぜ!という夢と妄想を与える書籍のほうが(特に若い人には)売れる、というのは分かります。


私は、人生を少しでも有意義に過ごそうという考えには賛成ですが、Die with ZEROという気は全くありません。
無理な節約でストレスを感じることがない日常生活を過ごし、使いたいときにはまとまったお金が使えることで十分です。
Die with ZEROを目指してカツカツな晩年を迎えるくらいなら、死後に多少の資産が余るほうがマシです。


DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール
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ダイヤモンド社
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