アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

「2000万円では足りない問題」

「2000万円では足りない問題」
以前に「2000万円問題」として、公的年金だけではリタイア資金が足りないことがテレビで頻繁に取り上げられていました。


テレビでは「公的年金だけで生活出来ないなんて聞いていない」とコメントしている人たちを取り上げていましたが、そもそも「公的年金だけで生活できる」なんて誰も言っていません。
なにを今さら言っているのか、と思っていました。


あの頃は、まだ日本は物価が上がらない国であり、また、公的年金だけでは2000万円足りないということも物価が将来も同じという前提で計算されていました。
しかし、最近のエネルギー資源、食料品、原材料の輸入価格に引きずられて、国内の消費者価格が値上がりしている状況を見ると、物価高は日本単独の問題ではなく、今後も国際市場価格に引きずられて値上がりしていくであろう、と思わせます。


長期にわたり、物価が上昇していくのであれば、「2000万円問題」どころか、「2000万円では足りない問題」になっていきます。



いくら足りない?
では、幾ら足りないのか、というと計算が非常に煩雑になります。
・まず、計算に使う物価上昇率を設定する(例、2%)
・消費支出を物価上昇率を加味して計算する(例、2%)
(ここまでは簡単です。)


・健康保険料、介護保険料も物価上昇率を加味して計算する(例、2%)
・自動車税、固定資産税(土地)も物価上昇率を加味して計算する(例、2%)
(物価上昇と比例関係にはありませんが、長期的には比例するとみなすべきと仮説が追加されます。少子高齢化であれば健康保険料、介護保険料はさらに負担増の可能性がありますがここでは無視します。)


・公的年金は物価上昇率にマクロ経済スライドが適用された前提で計算する(例、1%)
(公的年金は物価上昇の影響を受けますが、マクロ経済スライドで調整されます。調整率は公的年金加入者減少率と平均余命伸び率で決定されますが、1%と仮定して、1%(=2%-1%)が公的年金の上昇率とします。)


仮に将来の物価上昇率が仮説通りに展開されたとしても、これ以外に税制改正、社会保険制度改正があり得ます。
少子高齢化で社会保険の支出が増大することが予想されていますので、負担増となる改正がされる可能性が高いとされています。


物価上昇率を加味して計算しようとしても、仮設を複数設定する必要があるので単純ではなく、計算が複雑になる割には、予想の精度としては高いとも言えません。
(膨大な労力に見合う精度は期待出来ない。)


わざわざ精度が高くない複雑な計算をするのであれば、
・計算はシンプルにする
・物価変動、税制改正、社会保険制度改正は定期的(例、年1回)に織り込む
・支出は予備費を設定して多めに見積もり、予定外の支出も吸収出来るようにする
とするほうが実務的(労力が少ないが予想の精度は年々高くなる)と私は考えています。