いろんなFIRE？それってFIRE?

2021/09/25 14:00

いろんなFIRE？
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字をとった言葉で、「経済的自立と早期リタイア」という意味になります。

FIREという言葉が生み出され、認知が広がるとともに、その派生型の言葉も生み出されました。

Fat FIRE：十分な資産があり、贅沢な暮らしも出来る
Lean FIRE：節約しながら生活費を抑えて暮らす
Coast FIRE：資産はあるがフルタイムで働く
Barista FIRE：フルタイムではないが働いて生活費を稼ぐ、社会保険加入を目的とすることもある。

Fat FIREとLean FIREは、両者の違いは、資産額、生活費ですが、生活費は違えでも、お金を稼ぐために労働はしておらず、FIREという言葉で表現しても、違和感はありません。

それってFIRE？
しかし、Coast FIREは、どんなに資産があっても働いていますので、Retire Earlyとは言えません。
サイバーエージェントの藤田氏やZOZOTOWN創業者の前澤氏も、リタイア可能な資産が十分にあるが働いているので、Coast FIREに分類されるのか、というとそうではないようです。
あくまでもFIREを目指していて、その途中経過として、資産をより増やすために働いている人を指すようです。
そうなると、お金を稼ぐために働いているので、Financial Independenceとも言えません。
別の表現で言うと、FIREを目指して働いていて、FIREの達成時期が見えてきた人、のことをCoast FIREと言うようです。
早期リタイアへのカウントダウンをしている会社員（例、あと3年だけ働くつもり）と言ったほうが分かりやすいでしょうか？

また、Barista FIREになると、生活費を稼ぐために労働しており、Financial Independenceではありませんし、 Retire Earlyでもありません。
昔の言葉で言うところの脱サラ（会社員は辞めて、自営業など他の稼業で生計を立てること）と変わらないように思います。

さらにサイドFIREという言葉もありますが、副業で生計を立てるという意味では、昔の脱サラ、上記のFIREの４分類では、Barista FIREに近いもの、となります。

こんなに分類が必要か？
「Financial Independence」とは、賃金を対価とする労働をする必要がないこと、「Retire Early」とは、周囲の人よりも早期にリタイアしていることなので、純粋にFIREを分類するのであれば、資産額、生活費を基準にしたFatとLeanで十分です。
さらに分類したければ、Middleとか、Very Fat, Very Leanで細分化すればいい話です。

それでは、Coast FIRE、Barista FIRE、サイドFIREという言葉が、なぜ、作られたのでしょうか？
FIREを目指していて達成が近い人、FIREに憧れて副業・時短勤務で収入を得ている人を指す言葉がありませんでしたので、それらの人を指すためにFIREの派生語として作られたのでしょう。
FIREを目指している、あるいはFIREに憧れている人を指すのであれば、FIREの派生語として、〇〇FIREとしたほうが、その人たちの自分もFIREの仲間という自尊心、満足感に響いたのだろう、と考えられます。

それでは、なぜ、FIREを目指すのか？FIREに憧れるのか？
それは、「Financial Independence, Retire Early」という言葉の持つ魅力です。
賃金労働に依存していない、かつ、会社に縛られない生活への憧れを持つ人が多い表れだと思っています。

FIREという言葉が発明されるまでは、資産があるなしに関わらず、ドロップアウト、ニート、無職、ぷー太郎というネガティブな印象の言葉しか、ありませんでした。
しかも、社会不適合者の意味合いで使われることもある言葉でした。
一方のFIREという言葉には、Financial Independenceを自ら獲得した人、さらには、仕事が出来て稼ぐ力があって、しかも資産形成も出来る人というポジティブな印象があります。

私の場合
私は、FIREを自称したことがありません。
賃金を対価とする労働をする必要がないこと、周囲の人よりも早期にリタイアしていることの条件は満たしているのですが、FIREを目指した訳ではありませんし、FIREは２０代、３０代の人が目指して獲得するものという印象もありますので、５０代の私似合わない気がします。

しかし、あえて、FIREの中で、分類にするとFatとLeanの間となります。
贅沢を続けると資産が枯渇するが、節約に励まなくても生活できる、というレベルです。
私には、それで十分です。