アーリーリタイア徒然草

50歳でアーリーリタイアしました。アーリーリタイアについて心に思うことを書き連ねていきます。

会社員と奴隷と社畜

奴隷制度
奴隷制度の起源について、調べてみたのですが、有史以来、各地で存在していたため、明確に起源とする制度は特にないようです。


ただ、その目的は労働力の確保ということで、一致しており、より多くの労働力を確保するために、他の集団から戦争、征服・支配、誘拐が行われ、さらに同じ集団からも処罰、債務不払いを理由に奴隷に格下げされることもあったようです。


有史以来、各地で存在していたとは言え、共通の特徴があるようで、同じ民族の場合は、共同体の意味合いを持つため、力づくで奴隷化することは避けられる傾向にあり、刑罰や債務不払いの代償などケースが限られるようです。
そのため、多くの労働力が必要な場合は、他民族に対して戦争、征服・支配、誘拐などを行うことで、確保されました。


奴隷になると、人権はなく、主人の所有物とみなされており、奴隷自身がものを使うことは許可されても、奴隷がものを所有して、奴隷の判断で売買することはありません。


その奴隷制度を禁止・廃止する国、地域が増え始めて、1800年代終末には、ほとんどの国、地域で禁止・廃止されました。
ちなみにアメリカで奴隷廃止のきっかけになった南北戦争が勃発したのは1861年のことです。



会社員と奴隷の共通点
ここまでで、会社員と奴隷の共通点は、労働力として確保されているという点だけになります。
一方の相違点は、会社員は強制的に集められた人ではなく、ものを所有する自由も確保されており、さらに近年は人権も尊重する傾向にあります。


ただ、一部、極端な意見として、会社員を奴隷になぞらえる意見もあります。
なぜでしょうか?
1つは、ブラック企業、ブラック職場、パワハラなどの言葉に象徴される理不尽、不合理がありうること、もう1つは、自己決定権が全くない職位(指示をされたことしか、してはいけない)が存在すること、が理由ではないか、私は思っています。



ちなみに、私自身は会社員時代に自分のことを奴隷と思ったことはありません。
理不尽や不合理なことは経験しましたが、耐えがたい状況であれば自分の意思で会社を辞める、転職するという選択肢があったことが理由の一つだろう、と思っています。
つまり、勤務を継続するも辞めるも自分に決定権がある、と認識していたという意味です。



社畜という言葉
アーリーリタイア、セミリタイアを目指す人の中には、会社員を社畜と呼ぶ人もいます。
奴隷よりも社畜という言葉のほうがブログ村では浸透しています。
しかし、社畜(会社に飼われている動物)になると、もはや、人間ではありませんので、奴隷以下の存在になりますが、奴隷との上下関係を意識して使われている訳ではないようです。


社畜という言葉には、会社に飼い慣らされている、という意味も含みますので、自嘲したり、自覚の無い人を嘲笑する意味でも使われます。


この社畜という言葉、ネットで生まれた言葉と思っていましたが、そうではないようです。
安土敏という作家の方が考案した造語らしいです。
この方ですが、東京大学卒業後、大手総合商社に入社、その後、大手スーパーに出向して、社長、会長にまでなっています。
しかも、兼業で作家として執筆活動までしているという名実ともにスーパーサラリーマン(スーパーマーケット勤務で、優秀で高給取りしかも多才)ですので、ご本人は社畜という言葉が似合わない人です。


ちなみに英語圏ではwage slave(賃金奴隷)という言葉が使われているそうです。
wage slave(賃金奴隷)は、直接的すぎる表現なので、日本では浸透しないでしょう。
また、社畜のほうが自虐的、嘲笑的な皮肉の意味合いを持つことが日本で使われる理由の一つだと思います。



賃金奴隷、社畜からの脱出
賃金奴隷、社畜からの脱出の手段として、考えられるのが、起業(自営業を含む)とリタイアです。
会社組織の中では、役割、肩書きに権限が付与されており、1人の社員の決定権は、限定されています。
自分のことは自分で決める、この自己決定権が自分らしく生きていくために非常に大切なものと考えるのであれば、一部の人は起業し、一部の人はリタイアを選択することになります。


会社員という仕組みは、良く出来た仕組みだと思いますが、自己決定権を犠牲にした仕組みであり、それが賃金奴隷、社畜からの脱出する人の心理にも影響を与えています。


社畜が異世界に飛ばされたと思ったらホワイト企業だった 1 (電撃コミックスNEXT)
社畜が異世界に飛ばされたと思ったらホワイト企業だった 1 (電撃コミックスNEXT)
KADOKAWA
Digital Ebook Purchas